コウコラム:「服を買わない生活」の中で考えたアレコレを書きます
第48回 今日の手芸部
私はソーイングの先生でもあって、
週末はだいたい手芸部というやつをやっております。
今日もその手芸部というやつだったんですが、
今日の参加者3名は偶然みなさん横浜市の方でした。
横浜市は広いんで、なんという区だとか町だとか聞いても
私にはさっぱりわかりません。
でも、湘南新宿ラインが出来て、私のとこみたいな新宿方面へ来るのは
ものすごくラクになったとみなさんおっしゃってますね。
本日の最古参で、
3年くらい前から手芸部に参加しているAさんは、
クレヤン7号10ページの
へちま衿のカーディガンを作りました。
生地はウールとなにか化繊系が混ざったやつで、
色はピンキッシュグレイ。
表面はちょっと毛足があってモアンとしてます。
パッと見、厚いように見えるんだけど、ウールものにしては薄めで、
織りの粗いわりと透ける生地です。
Aさんは、この生地を
横浜のオカダヤ(マーノなんとかって店のほう)の
バーゲンで買ったんだそうで、
Aさんは、いっつも生地を両手いっぱいに持って来て
「これはなにに向きますか?」「こっちは?」という具合で
生地先行のタイプです。
いや、っていうかですね、最初のころは、
作るものを先に決めて生地を買って来るという順序だったんですが、
本音先行のセンセー(私のこと)に
「この生地はこの形に向かない」ってダメ出しをさんざんされて、
それでもその適さない生地で作ってさんざん失敗して、
そうこうするうちに生地先行になりましたね。
で、表面がモアンとしたピンキッシュグレイのウール混。
Aさんはよほど気に入ったと思われ、
私も「あら、これはかわいい生地じゃない」とめずらしく趣味が重なった
かわいい生地なんですけどね。
ウール系の生地はたいてい幅が150センチくらいあるんです。
シャツとかに使う普通の綿生地なんかは110センチ幅で、
ウールは綿生地の約1.5倍の幅なわけですよ。
綿生地と同じつもりで3メートルとか買うとするでしょ。
そうするとウールだと4.5メートルとか5メートルくらい
買ったことになるわけです。
Aさん、どのくらい買ってあったのかなあ。
5メートルくらいかなあ。
とにかく最初持って来たときは、身長150センチ未満のAさんが
お布団を抱えてやってきたように見えました。
Aさんはその生地でまず、フレアスカートを裏地つきで作り、
つったって、スカートなんて150センチ幅の生地だと
スカートの丈分(50〜60センチ)で出来ちゃうから、
そんなもんではお布団はぜんぜん減らず、
次に、今日のへちま衿のカーディガンにとりかかり、
それでもだいぶ残っていて、
「なにがいいと思います?」と聞かれ、うーんと悩み、
もう冬も終わりだしね、
これからでも着られるものとしてはやっぱりカーディガンねと考え、
ピーコート風ショートジャケットの型紙を使って、
カーディガンぽくしたら、と助言しました。
冬のカタログハウスの教室のときに、
モアンとした生地でピーコート風ショートジャケットを作って、
「ボタンはつけないでカーディガンみたいに着ます」と
おっしゃってた方がいて、
それがホントいい感じのカーディガン風だったのを思い出したの。
まあしかし、Aさんとしては、
ボタンとかの止めるものがないのは着にくいってことで、
「こういう生地のとき、ボタンホールはどうしたらいいんでしょう」と。
モアンとして毛足があるんで、
ボタンホールが作りにくそうな生地だからねえ。
「へちま衿と同じにループにして、
衿の返り位置に大きめなボタンを1個つけたらどうですか」
ってことになりました。