コウコラム:「服を買わない生活」の中で考えたアレコレを書きます

第50回 ひざを出したい

ひざを出してみたい。
というか、ずうっとひざを出してみたいと思っている。
ひざの出るスカートやワンピースをはかなくなったのは、
何歳ころからだろうか。10年は出していないような気がする。

だれかが、確か男性の作家だったと思うのだが、
「女の年齢はひざに出る」と書いていた。
ひざとひじ、と書いてあったような気もする。
作家じゃなくて、服装の専門家だったような気もしてきた。

あれを読んですぐにひざを出すのをやめたわけじゃないんだけど、
もうすでにあんまりひざを出さなくなっていてあれを読んだんだ、確か。
ホントはまだ、ひざを出すつもりだったから、あれを読んで、
ウエッ、そうなのか、と思って、
ひざを出してる同世代以上の女性のひざを観察したらホントにそうで、
それでひざを出す勇気がなくなったんだった、確か。

ひざ丈のスカートがいいですよって言われたって
ひざ丈はひざちょうどの丈なのかひざが出る丈なのか
ひざが隠れる丈なのかわからない、
と書いていた女性の作家がいた。

私の定義する「ひざ丈」は立っている状態でひざが隠れる丈だ。
35歳を過ぎたら最も無難なのはひざ丈だと私も思う。
でも、最も無難だからこそ、ちょっとダサいような気もする。
でも、ひざを出す勇気はないからひざ丈を着る。
しかし、ひざの隠れるひざ丈も座ればひざが出る。
ひざを出さないでいるとひざを出すのが恥ずかしくなる。
ひざの出るスカートやワンピースを身につけるということは、
座ったときにはひざどころか太ももが丸出しになる。
立っているときにひざが見えるまではどうにかなったとして、
座ったときの太もも丸出しの状態は耐えられるだろうか。

でもなんだか、ひざを出したい。
しかし、改めて観察する。
同世代以上の女性でひざを出している人のひざ下は、
その年齢とは思えないほど、その顔から連想できないほど、
きれいな場合が多い。しかし、あんなにひざ下がきれいな人でも、
なんだかひざは年をとっている。若い子のひざじゃない。
あたりまえだけど。
コラーゲンの関係なのか。股関節の関係なのか。
私のはアレ以下なんだと思うと出したくなくなる。