コウコラム:「服を買わない生活」の中で考えたアレコレを書きます
第1412回 良し悪しを見分ける能力
着物を着るようになって、
着物の話をする機会が増えたんですが。
「着物」を、
フォーマルな絹製の着物のことと
限定して呼ぶ人が多いことに気づきました。
どうもヘンだなあと思うと、
そういう人は、木綿製の着物を
「浴衣」と呼ぶんですね。
着物は、本来、
単に着るものという意味ですから、
1945年以前の日本では、
絹製も麻製も木綿製もすべて着物と
呼んでいたんじゃないかと思います。
(調査してないので絶対じゃないけど)
![]() ダンガリー風先染めコットンシャンブレー サークルレース |
1908年生まれの私の祖母は、
ほとんど着物で過ごしていましたが、
絹製も木綿製も「着物」と呼んでいました。
だいたい、正しく、浴衣と呼ぶなら、
麻製だし。
けど、間違った言葉使いも定着すると、
そっちが正しいことになるので
(これも一種のポピュリズムか)、
ああ、この人は、そういう意味で
使っているのかあと気づいたら、
適当に話を合わせることになり、
結果、疲れる(笑)。
と言って、
言葉の定義をいちいちつっこむと、
話が進まない。
ま、それはさておき。
![]() コットン30アムンゼン和調プリント ハイカラ |
ちょっと前に触れた、某新聞の、
着物はなぜ廃れたか、みたいな記事の中で、
着物業界が着物をフォーマルな衣服として
宣伝販売する戦略を立てたために、
着物の良し悪しを見分ける力がなくなり、
高額なモノをいいものと判断するようになり、
結局、着物離れが進んだ、
という話がありました。
価格の高いモノが良いモノ、
という判断基準(というか、
自分の頭で考えずに選ぶ方法)は、
着物以外の多くのモノに適用されています。
ミシンなんかもそうだよね。
「5万円以下のミシンで
大人の洋服が作れるんですか?」と
聞く人がいたり、
20万円くらいのミシンを
すでに購入したという人は、
「高ければ高いほどいいと思った」
と言ったりします。
よく、ミシンは、その語源だと言われる説
(諸説あるらしいけど)から
「機械」と紹介されることが多いんですが、
私は、ミシンは、機械というより
道具だと考えたほうが適切だと考えています。
道具を使うのは人間です。
高額なミシンでも、ひとりで勝手に
いろいろ縫ってはくれません。
![]() コットンローン塩縮リップル"nina"charms |
ある方面では、
ミシンは売れている、
という話もあるそうですが、
裁縫教室を営むコウ先生の実感では、
相当売れなくなってますね。
ただ買って持ってるだけ、の人を
売れた数に加えなければ、
さらに売れていないでしょう。
たいてい、
ナニナニが売れている、という話は、
その業界が作って配布する「プレスリリース」
とかってやつに沿って
記事を書いてるだけでしょうし。
着物業界と同じように、
ミシン業界も(業界って言葉は嫌いだけど
代替案が今は思いつかない)、
自分たちで自分たちの首を絞めた、
ってわけですね。
売りゃあいい、で、
ミシンという道具の良し悪しを見分ける
使い手の能力を伸ばす努力を怠った結果ですよ。
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