コウコラム:「服を買わない生活」の中で考えたアレコレを書きます

第81回 そうか、キミは早生まれなのか

3年ぶりに手芸部にやって来たAさん、
「オトナな感じになったねえ」と言ったら
「オオダイにのりましたから」と笑った。

「て、ことは、マツザカと同い年?」
「あ、そうなんですか? あんまり同い年って感じしないけど」
マツザカとは横浜高校出身のプロ野球選手、
現メジャーリーガーの松坂大輔のことである。

いや待てよ、マツザカは80年の9月生まれ、
まだ30歳になってないか。
「あ、私、1月生まれですから」
そうか、キミは早生まれなのか。
「マツザカは私よりひと学年下ってことですね」

関係ないけど、
日経新聞のプロムナード、
朝倉かすみさんの上野動物園訪問記はおもしろかった!
「そうか、もうキミはいないのか」の使い方が好きです。

30歳という大台にのって、
3年ぶりに手芸部しにきたAさんは、
ノースリーブのチャイナブラウスを作った。

クレヤン増刊6号の製図を見て型紙を作って、
自分なりになんとか作ってみたという1枚目を持って来ていた。
生地は綿ポプリンという厚めのブロードで、
ピンクと黄緑のレトロなチェック柄。
60年代もしくは70年代とかの
東京の大学生(宮崎県出身)の下宿の窓に
かかっているカーテンの柄とかにありそうな昭和なチェックだ。
下北沢の『もくようかん』とかにハギレで売ってそうな、
『あんてぃかーゆ』のガラスのショーケースの
下敷きに使われててもよさそうな感じのチェック。

「あらかわいい、よくひとりで作ったねえ」
と言ってみたが、なんかおかしい。
なんかおかしいのになんとなく出来上がっていた。
それなりに出来上がっているのに、
小さくて着られなかったから2枚目を作りたいのだという。

2枚目の生地は、今度も綿ポプリンで
紺地に白い水玉がプリントされたやつ。
作ってる途中で1枚目の間違いが判明したが、
水玉のチャイナブラウスもかわいいと思う。