コウコラム:「服を買わない生活」の中で考えたアレコレを書きます

第1971回 フィリア美術館と浅川兄弟資料館


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旅取材から無事に帰京しました。

今回は、
山梨県北斗市にある
フィリア美術館と
浅川伯教・巧兄弟資料館を
中心に取材しました。

フィリア美術館は、
以前から行ってみたかった
小さな美術館なのですが、
目玉は、なんといっても、
ケーテ・コルビッツのピエタ像。

ケーテは、
1867年東プロイセン生まれの
版画家・彫刻家。

ナチスに抵抗して、
社会主義や平和運動に関わり、
創作活動を続けた女性です。

ピエタ像は、
戦死した息子を抱いて嘆く母親のブロンズ像で、
ベルリンの「ノイエバッヘ(戦争と暴力支配の
犠牲者に対する追憶と追悼の場)にあることで
知られる像でもありますが、
日本では、フィリア美術館と、
沖縄の佐喜眞美術館にあります。

フィリア美術館には、
ケーテ作品のほか、
アウシュビッツの獄中で密かに描かれた絵の
展示室もあります。

どちらも大変、小さなスペースですが、
グゥッと胸打つスペースです。

美術館の洗練されたたたずまいにも
感動しましたが、
今回インタビューした館長の中山さん
(たぶん私と同世代)が語る
フィリア美術館をつくったご両親の話が
これまた大変感動的でした。


浅川伯教・巧兄弟資料館は、
北斗市観光の入口である小淵沢駅観光案内所に
資料パンフがないことにビックリ!

市町村大合併、そして、
現政府による「稼げる文化」政策による
弊害のひとつと思われますが、
朝鮮戦争終結宣言に向けて
南北会話が進行する世界情勢のなかで、
この宣伝のしなさは信じられんっ!

浅川兄弟の兄は、
日本の民藝運動に関わった一人で、
朝鮮が日本の植民地だった時代に、
李朝時代の庶民の器だった白磁の
美しさに注目した教育者。

兄の影響を受けた弟も、
朝鮮文化の発掘、発信に関わった
林業技師です。

当時の日本の朝鮮同化政策によって、
破壊されようとしていた自然環境と、
失われようとしていた朝鮮文化を救った
兄弟といえます。

弟の匠が書き残した日記の
関東大震災でのデマによる
朝鮮人虐殺に関するくだり
「日本は大東京を誇り、軍備を鼻にかけ、
万世一系を自慢することは少し謹むべきだと思ふ」
は、貴重な証言でもあり、
同虐殺に対する追悼文を2年続けて中止した
小池百合子東京都知事にぜひ読んでもらいたい
と思いました。

2015年に、弟の浅川巧は、
「朝鮮日報」と国立大韓民国歴史博物館が
選定した「韓国を輝かせた世界の70人」の
一人に選ばれています。

資料館の方に取材したところ、
「人権意識の高まりから、最近は
取材に来られる方が増えています」とのこと。
安心しました。

資料館も、そうした視点から
しっかり編集されているので、
かなりおすすめです。

今回の記事は、
文&写真=ツルシカズヒコ、
イラスト=ワタナベ・コウで
「しんぶん赤旗」日刊紙たび欄に来月掲載予定です。

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