ポチのクレヤン編集長日記:ポチことツルシカズヒコが書く身辺雑記
漱石『こころ』と『タッチ』
昨日書いた漱石『こころ』の三角関係ですが、
宮﨑かすみ『百年後に漱石を読む』を読み返すと、
また興味深い指摘がなされているんですね。
ちょっと難しくて私には
読みこなせないところも多いですが、
なるほどというところもあります。
たとえば先生の分身がKであるという
指摘なんかはなるほどと思いました。
Kは漱石の本名である金之助のKでもあり、
つまり漱石の分身でもあるという。
で、先生は先生の「欲望」であり、
Kは先生の「魂」であるという。
お嬢さんはその「欲望」を誘発する
近代のシステムに取り込まれているもの。
近代を批判的に見る視点からすれば、
お嬢さんも「欲望」も悪しきものであり、
前近代の文化であった「魂」は
聖なるものという図式で
『こころ』を読み解くことが
できるようです。
先生とKのホモセクシャルな関係に
すごく焦点を当てているのも興味深いです。
先生とお嬢さんの間に
Kが闖入してきたのではなく、
先生とKとのホモセクシャルな関係に
闖入してきたのがお嬢さんだったということです。
「三角関係と分身」というと
『タッチ』の世界ですね。
達也が先生で和也がKで、
和也が先に死んでしまう。
まるで『こころ』と同じですね。
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