ポチのクレヤン編集長日記:ポチことツルシカズヒコが書く身辺雑記
大杉栄と伊藤野枝の共訳書 『科学の不思議』
【伊藤野枝 1895-1923】
第217回「久闊(きゅうかつ)」、
原稿の整理をしました。
1923年8月、大杉栄と野枝の共訳書
『科学の不思議』が出版されました。
http://www.aozora.gr.jp/cards/001049/files/4920_40113.html
虐殺されるひと月前に、
ふたりの関心がファーブルに傾いていた
というのは非常に重要です。
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100歳のジャーナリスト・むのたけじも、
今こそ人類について考えるべきだ
と発言していますが、
大杉&野枝の関心がファーブル、
つまり昆虫に傾いていたというのは、
ふたりが100年前にすでに
人類(の愚かさ)について
考えはじめていたということです。
生物界、動物界において
人類を相対化する視点です。
昆虫は自ら環境を破壊しないし、
無益な殺戮もしない。
それをやる人類ってナニ?
という思考を、
ふたりは持ち始めていたのでしょう。
「人間と昆虫」と言えば、
クレヤン7号でも言及しましたが、
私は『にっぽん昆虫記』という
映画を思い浮かべます。
あの映画の面白さは、
監督の今村昌平が
ファーブルや大杉栄的な
思考を持っているからです。
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