ポチのクレヤン編集長日記:ポチことツルシカズヒコが書く身辺雑記
ビートたけしの命題と大杉栄の問題提起
『新潮45』最新号でビートたけしが
「人間はちっとも進化していない」
と発言しているようですね。
その記事は読んでいませんが、
この命題に対して、
多々考えることはあります。
人間は進化してないかもしれないが、
人間の作り出すものは
確実に進化している
とは言えるのではないでしょうか。
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私は現在、
伊藤野枝について文章を書いていますが、
彼女の生きた時代は今から100年前です。
100年前、
すでに自動車も電話も飛行機もありましたが、
現在一般に普及していて、
100年前には存在していない
最たるものはパソコンでしょう。
だから、人間の作り出すものは進化している。
しかし、100年前に
野枝や大杉栄や辻潤が
人間に提示した問題は、
いまだに解消できていないという意味では、
「人間はちっとも進化していない」
という命題は正しい。
議会制度は極一部の権力者を
富ませる悪しきシステムだと、
大杉は激しく批判しましたが、
現在の安倍政権を見れば、
大杉の問題提起はいまだに
解決されていないと
言わざるを得ません。
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しかし、またこうも思います。
100年前、大杉が提起した問題ですが、
当時の一般人はその問題の意味すら
誰も理解出来なかったでしょう。
しかし、100年後の今なら、
大杉が投げかけた問題の意味ぐらいは
理解できる一般人も
少なからず存在します。
じゃあ、議会制の代わりに
どういうシステムにすればいいのか
ーーその答えは容易に出ないとしても。
パソコンも議会制も人間が
作り出したものではありますが、
モノとシステムとは
また別ものなのでしょう。
大杉が提起した問題を、
100年後にようやく共有することが
できるようになるという意味では、
人間は進化すると言えるが、
100年経ってやっとその問題の意味が
理解できる程度の遅々たる進化であります。
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