ポチのクレヤン編集長日記:ポチことツルシカズヒコが書く身辺雑記
伊藤ルイと『大杉栄全集』
松下竜一『ルイズーー父に貰いし名は』を精読中。
ルイズは大杉栄と伊藤野枝の四女。
ルイズこと伊藤ルイが
両親に興味を持ち始めたのは、
戦後、1948年春、ルイ26歳、
すでに四児の母でした。
福岡市の書店で
大杉栄全集刊行会編
『大杉栄全集』(全十巻)を見つけて購入、
少しずつ読み始めていくわけです。
この『大杉栄全集』は十巻目が
別巻「伊藤野枝全集」ですが、
全十巻の発行が完了したのは、
1926年9月、つまり、
大杉&野枝の3回忌に向けての
作業だったようです。
編集作業に当たったのは
近藤憲二、安成二郎という
敏腕の編集者でした。
野枝や大杉の書簡の初出は
第四巻に収録されていますが、
この全集にふたりの書簡が
収録されていなかったら、
後世に残らなかったものも
多々あっただろうと思います。
ルイも読み易いふたりの
書簡から読み始めたそうです。
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戦後、大杉栄の全集は
いろいろ出版されましたが、
すべて新字新仮名遣いです。
私は大杉や野枝が実際に書いた
旧字旧仮名にこだわりたいので、
彼らの文章を引用する際には、
大杉栄全集刊行会編の
全集から引いています。
2015年、
分厚くて真っ黒な表紙の
『大杉栄全集』は常に私の
傍らにあったような気がします。
大杉&野枝が書き残した文章、
それを90年前に本にして
後世に残した編集者に
敬畏を評して2015年を
終えたいと思います。
みなさま、よいお年をお迎え下さい。
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