神近市子に勝利するために閃いた伊藤野枝の戦略

ポチのクレヤン編集長日記：ポチことツルシカズヒコが書く身辺雑記

2016-05-25（水）

【あきらめない生き方　詳伝・伊藤野枝】連載中！
第213回〜第214回をアップしました。

菊富士ホテルの鍵を
忘れたことに気づいた野枝は、
鎌倉駅から逗子駅まで
戻って来たわけですが、
これはどうなんでしょう。

以下、私のこういう可能性もある
という推測をしてみます。

私は大杉栄が書いた
「お化を見た話」を元に記していますが、
野枝は本当に鍵を忘れたから
逗子駅まで戻ったのでしょうか。

鍵を忘れたのは事実だったが、
菊富士ホテルには
合鍵があるはずですから、
必ずしも戻る必要はなかった
のではないでしょうか。

そして、本当に野枝が
鎌倉から戻ったのかも怪しい。
実は野枝は逗子駅から
列車に乗らなかった可能性も
あるようにも思えます。

東京に帰ると言って
日蔭茶屋を出たものの、
野枝は沸々と怒りが
こみ上げて来たのかもしれません。

「なんで私が帰らなくちゃいけないんだろう？
突然やって来たあの失礼な女（神近）のために……」

実は鍵を忘れたのも、
最初から計算ずくの行動で、
大杉を逗子駅に呼び出す
口実にしようとしていた
のかもしれません。

大杉をめぐる
ライバル・神近市子に
勝利するために、
野枝の中に一瞬にして閃いた
戦略だったとしたら、
野枝さんにはインテリの神近にはない
ある種の才能があった
ということになります。

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