第1279回　「男も変わろう」の締めを好むのは

コウコラム：「服を買わない生活」の中で考えたアレコレを書きます

2015-11-18（水）

資生堂ショックなるものが
先週、話題になったことを
夜間手芸部5年生の会社員Uさんから
聞きました。

購読してる日経ビジネスオンラインの
昨日のコラムにも関連記事らしきものが
あったので、ちょっと読んでみました↓

女性「活躍」って！

女性活躍、って、
なあんかオヤジ視線言葉っぽい
（見出しはオヤジがつけてんだろね）。

いや、筆者自身は、おそらく、
資生堂ショック問題の真の問題点に
気づいているんでしょうね。

しかし、それを指摘するのは、
タブーに触れることになる、
というか、元も子もないというか、だから、
メジャーなメディアで書いている人ほど、
穏便な締めに持って行くという。

けどさあ、
いっつもいっつも、なんでもかんでも、
この手の女性働く問題になると、
「男性も変わろうよ」って……。

（イチローじゃないんだからw）

「男性が変わろうよ」って締めを好むのは、
男性自身な気がしてならない。

あ、もちろん、
オヤジ脳持った女性含めての
「男性」って意味だけど。

男性が変わらなきゃ、の対立項としての、
女性は変わったんだから、は、
真実なんですかねえ。

真実であるならば、
この場合の「変わる」は、
よいほうへ変わる、って意味で
使われているんでしょうから、
女性はよいほうへ変わったことになり、
それは何にとって「よい」なのか。

はたして、女性はよいほうへ変わったのか？
それが、女性活躍？

しかしなあ、つくづく「活躍」って。
運動会じゃないんだから（笑。

まあ、はからずも、
上記コラム内に登場してるけど、
「仕事だけしてるほうがラク」って
男性のセリフ。

確かに、
「人間」として生きることは辛く、
「奴隷」として生きることのほうが
ラクなのかもしれません。

男も女も「奴隷」になることが
「幸福」になる唯一の道なのか。

まあ、日本経済新聞的には
それを「幸福」と認定しないと
いけないでしょうけども。

夫婦とか結婚とか家事育児とか
そういう問題は、
「男」対「女」で考える問題なのかどうか。

いや、デカく言えば（笑、
フランスのテロ事件だって、
キリスト教対イスラム教で考えて
いい問題なのかどうか。
どちらかを善とすればどちらかが悪となり……
永遠に対立したままで
生きて行かねばならないんだとしたら……。

私は、
今の社会が「ゆがんだ社会」だと
考えているほうなんで、
社会のゆがみそのままで、
そのゆがんだ社会に適応するよう
「変わる」ことがいいとは
思えないわけですよ。

まま、しかし、
動物とは、生き延びるために、
社会に適応して変態し、子孫を残し、
「進化」するものだ、と言われたら……。

＊

女性史家の嚆矢で、
伊藤野枝にもゆかりのある村上信彦氏が、
社会が変わらなければ
個人の意見などありえない（大意）、
と書いていたことを思い出します。

村上信彦氏は、
男と女の着るものはどうして違うのか、
という疑問から歴史をたどった人でありますが、
男女同じだった衣服が、違うものになって、
違うことが当然だと考えられるようになるのに
約900年かかった、と書いていました。

社会が変わり、
その社会で暮らす人間の意識が変化するのには、
1,000年くらいかかるんでしょうね。

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