第1285回　ぬいぐるみと「今日は会えるかも」の坂道

コウコラム：「服を買わない生活」の中で考えたアレコレを書きます

第1285回　ぬいぐるみと「今日は会えるかも」の坂道

2015-11-24（火）

「裁縫が苦手な私に、
ぬいぐるみ作りを型紙から
教えてもらえますか？」という
お問い合わせをいただきました。

というわけで、
今日のコラムには
過去のぬいぐるみ作品を掲載しよう！

と昔の雑誌切り抜きをひっぱり出したら、
うちのジイちゃんが、
「ぬいぐるみはコウの大得意だったよなあ」と。

なんでそんなこと知ってんのか、
と考えたらば！

いまを遡ること、25年前、アタシが
「ぬいぐるみは手縫いでササッ」
という連載をやっていた主婦雑誌は、
うちのジイちゃんが編集長してた週刊誌と
同じ出版社にあったのでした。

懐かしいなあ。

順番的に言うと、
うちのジイちゃんの週刊誌で
イラストを描いたのが、
その出版社で仕事したはじめてで、
そのあと主婦雑誌で仕事するように
なったんですよ。

さらに詳しく述べると、
うちのジイちゃんの週刊誌が
若者向けにリニューアルすることになってて、
アートディレクターのおっさんが、
『ホットドッグプレス』にアタシが描いた
イラストを偶然見て、
こりゃあ使えるべ！ってことで（笑、
仕事を依頼され、
その担当編集者がうちのジイちゃんだった。

はじめての会話は今も覚えています。

ジ「香港特集のイラストを
お願いしたいんですが」

コ「わあ、香港に連れてって
くれるんですかあ（キャピキャピ）」

ジ「……（なんだ、こいつ）」

ワタナベ・コウってペンネームなんで、
アートディレクターのおっさんは、
てっきり男だと思ってたらしい。

会ってみたら
「こんなかわいい女の子だったの！」
とおっさんが言ったのは、
事実なんだよー（笑。

だって、当時は、アタシも、27歳！

まあ、おっさんというものは、
こういうモノ言いをするものだが。

で、
へえ、女の子なの、手芸が得意なの、
ってことで、
『エッセ』のアートディレクターでもあった
おっさんが『エッセ』にもイラスト描いたら、
と推挙した、ってわけですな。

いや、今からは信じられないだろうけども、
当時は、雑誌の創刊ラッシュというか、
バブルというか、で。

ある雑誌でイラストを描くと、
それを見た別の雑誌の編集者や
アートディレクターから必ず、
仕事の依頼が来たんですよ。

アタシ程度のイラストレーターでも
そんな感じだったほど、
イラストレーターが足りなかった、
ってわけですよ。

まあ、それはともかく。

「ぬいぐるみは手縫いでササッ」の前は、
「2時間でハンドメイド」という連載で、
当時は、バイク便とかもあったし、
担当編集の方が作品を取りに
来てくれたりもしたんですが、
最初に会ったその日から、
ジイちゃんに恋したアタシは、
ジイちゃんに会いたいばっかりに、
編集部に作品やイラストを届けに
行ったもんです。

いまやその出版社は親テレビ会社とともに
お台場方面へ引っ越しましたが、
当時は、親テレビ会社とともに
曙橋にあって。