詳伝・伊藤野枝

「詳伝・伊藤野枝」第153回 友愛会と青鞜社

文●ツルシカズヒコ 一九一五(大正四)年、当時の文壇思想界は個人主義全盛の時代だった。  自己完成、自己の生命の充実、自己を煩わし害(そこな)わんとする周囲からの逃避、静かなる内省と観照。 これが当時の個人主義の理論であり実際であった。 大...
詳伝・伊藤野枝

「詳伝・伊藤野枝」第152回『谷中村滅亡史』

文●ツルシカズヒコ 葉山から帰京して二、三日後、大杉に野枝からの手紙が届いた。  『先日はもう一足と云ふところでお目に懸ることが出来ませんでしたのね。 御縁がなかつたのでせう。 雑誌(『青鞜』※筆者注、以下同)を気をきかしたつもりで葉山に送...
コウコラム

第2537回 ミープリントのティーコゼーとマット

前回のコウコラムで紹介したムーミン刺しゅうシリーズのYさんが、勢いついて、おうちでムーミンキットのティーコゼとマットを完成させたということで、写真を送ってくれました↓ムーミンキットは、ムーミン刺しゅうシリーズ(と私が勝手に呼んでるだけだが)...
コウコラム

第2536回 手芸のコミュニケーション力

土曜日のコウ手芸部では、デアゴスティーニのムーミン刺しゅうシリーズ(発売開始は6年前くらいか?)に挑戦中のYさんが、パーツの半分が完成した記念に完成した分を持って来てくれました↓そろって見ると壮観ですね~。下に隠れている分があるので、よくわ...
詳伝・伊藤野枝

「詳伝・伊藤野枝」第151回 待合

文●ツルシカズヒコ 大杉は堀保子とは、もう八、九年ほどきわめて平和に暮らしていたが、大杉が野枝の家を訪れたときには、いつも保子の機嫌はよくなかった。 少なくてもいつも曇った顔をしていた。 野枝についての何かの話が出るときも同様だった。 そし...
詳伝・伊藤野枝

「詳伝・伊藤野枝」第150回 ブレシコ・ブレシコフスカヤ

文●ツルシカズヒコ 一九一五(大正四)年、三月二十六日、葉山の日蔭茶屋に到着した大杉は、風邪気味だったのですぐ床についた。 鼻水が出る。 少し熱加減だ。 汽車の中でもさうであつたが、妙に興奮してゐて、床に就いても眠られない。 彼女の事ばかり...
コウコラム

第2535回 ミツバチと花のアップリケつきバッグ

火曜日のコウ手芸部での完成品ですが、Sさんのトートバッグが完成しました↓使い込んでくったりしてきたバッグから寸法をとって型紙から作ったものです。外ポケットに、ミツバチとお花のアイロンアップリケをつけてあるのに注目してください。このワンポイン...
詳伝・伊藤野枝

「詳伝・伊藤野枝」第149回 羞恥と貞操

文●ツルシカズヒコ ようやく本題に戻った大杉は、野枝の書いた「貞操についての雑感」を批評し、まず野枝の思考がまだ浅いことを指摘した。 野枝さん。 ……あなたは、女の一大感情たる「ほとんど本能的に犯すべからざる」、この貞操や童貞や羞恥の根本的...
詳伝・伊藤野枝

「詳伝・伊藤野枝」第148回 新貞操論

文●ツルシカズヒコ 『新公論』四月号が「性欲問題(其壱)新貞操論」を特集したが、大杉は「処女と貞操と羞恥とーー野枝さんに与えて傍らバ華山を罵る」という原稿を書いた。 大杉は貞操に関する持論を展開、生田花世、原田皐月、野枝、らいてうらの貞操論...
詳伝・伊藤野枝

「詳伝・伊藤野枝」第147回『三太郎の日記』

文●ツルシカズヒコ 『青鞜』一九一五(大正四)年三月号「編輯室より」が、野枝の『青鞜』二代目編集長としての孤軍奮闘、いや悪戦苦闘を伝えている。 ●毎月校正を済ますとほつとしますけれども直ぐ後からいら/\して来ます。何故こう引きしまつたものが...
詳伝・伊藤野枝

「詳伝・伊藤野枝」第146回 中村狐月

文●ツルシカズヒコ 大杉が野枝宅を訪れたのは、『青鞜』二月号が大杉のところに送られてきてから十日ほどだった、二月十日ごろだった(大杉豊『日録・大杉栄伝』)。 一日も早く彼女に会いたいと思いながらも、体調がすぐれず、急ぎの仕事もあった。 そし...
詳伝・伊藤野枝

「詳伝・伊藤野枝」第145回 ゾラ

文●ツルシカズヒコ 大杉が野枝から受け取った手紙は、何か新しいものをもたらすものではなく、彼女の考えのことさらの表明にすぎなかった。 しかし、彼女のそのことさらの表明が大杉は嬉しかった。 特に著書の批評をするのに、これほどまでいろいろと神経...