コウコラム:「服を買わない生活」の中で考えたアレコレを書きます
第1318回 ガンジーとミシン
みなさん、あけましておめでとうございます!
2016年もクレヤン.コム並びにコウ.コムを
どうぞよろしくお願いします。
さて、30日と大晦日は、
ヒストリーチャンネルで
「NHKスペシャル 映像の世紀」を見ました。
1995〜1996年の年末年始に
放送された番組らしい。
映像のみで歴史を振り返ることの
限界も感じる番組でしたが、
ソ連崩壊後にはじめて公開された
映像などもあって、
なかなか興味深い内容でした。
20世紀が生んだ偉大な思想家たちも
登場していたんですが、
東京外国語大学ヒンディー語中退にして
裁縫のセンセー、なアタシにとっては、
チャルカ(糸車)の思想を唱えた
ガンジーは重要人物ですよ↓
ちなみに、
インドに興味を持つきっかけになった本のひとつは、
インド旅行の話が語られる
『ゆたかさへの旅』でした↓
で、ガンジーと言えば、
拙著『節電女子』でも触れていますが、
チャルカの思想は、
資本主義批判でありながらも
「社会主義」じゃないのがスゴい。
資本主義の親方みたいな
イギリスの教育や思想が
ガンジーという思想家を作った
わけですけどね。
ガンジーの思想が、
なになにイズムで表現できないというのも
ガンジーのスゴいところでしょうか。
インド統一国家をめざしたという点で
国家主義者とみなされることもありますし、
自立、自主、相互扶助をめざしたという点で
無政府主義(アナキズム)とみなされたりもする。
アタシ的には、
ガンジー=アナキストに一票、
って感じでしょうか。
つうか、イズムを超えてるんだな、たぶん。
ま、それはともかく。
ガンジーがイギリスへ
インドの独立を要求しに行く船の中で
チャルカを回して糸を紡いでいる映像が
流れてたけど、糸を紡ぐ姿って、
なんだか美しい絵ですねえ。
近代文明批判高じて
何でもかんでも手でやるのがいい
という考え方があるけど、
あれは好きじゃないんだよねええ。
つうか、考えが浅いというか、
手とか自然とか、ああいうのも
一種の「ファッション」だからね。
という点で、
チャルカの思想は、
糸車は象徴的なモノではあるものの、
単なる手仕事を推奨する思想ではなかった、
というのは要チェックポイントです。
ミシンが、
手職人の仕事を奪った「機械」として
ワルモノ扱いされた話は有名ですが
(テレビ番組でそういう話が
面白可笑しく放映されているとよく聞く)、
ああいうのって、番組制作者に
マルクスかぶれの人かなんかが
いるんでしょうかね。
アタシ自身もよく言うんだけど、
ミシンは「機械」というより「道具」だよね。
確かにマシーン(sewing machine)
という名前ではあるけれども。
『ミシンと日本の近代』↓によると、
マルクスは『資本論』(読んでません!キッパリ)の中で、
ミシンを手職人の賃金を引き下げた機械、
ロンドンではミシンの台数が増えるにしたがって
餓死者が増えている、なんてことを
書いているそうですな。
おそらくデータとってるんだろうけども、
データという「科学」は、
こういう風に時として、
「真実」を捏造したりもするからなあ。
気をつけないと。
一方、ガンジーは、
機械そのものに反対したわけではない。
機械への熱狂(the ‘craze’ for machinery)
への反対(object)であって、
ミシンは、
人間の長時間労働をラクにする
よき「機械」だと言っているようです。
ガンジーの考えは以下で読めます↓
●Man and Machine(英語)
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