コウコラム:「服を買わない生活」の中で考えたアレコレを書きます
第183回 小谷野敦さんの大ファンなんで、
お茶の水「スターレックカフェ」で行なわれた
小谷野敦著『悲望』の朗読会に行って来ました。
実は、私、小谷野敦さんの大ファンで、
10月末発行予定のクレヤン12号で
「勝手に小谷野敦論」を掲載する予定なのです。
小谷野敦さんは、第144回芥川賞候補作品
『母子寮前』(文藝春秋)の著者、
というより、
ベストセラー『もてない男』(ちくま新書)
の著者といったほうがいいかな、
62年生まれの小説家&評論家であります。
最新作で文學界9月号掲載の
『グンはバスでウプサラへ行く』は
最高にイカす青春小説なので、
再び候補になって、
次こそ芥川賞をとるんじゃないでしょうか。
私が最初に読んだのは『もてない男』で、
次が『評論家入門』(平凡社新書)、
『聖母のいない国』(青土社)、
『夏目漱石を江戸から読む』(中公新書)、
『猫を償うに猫をもってせよ』(白水社)、
『帰ってきたもてない男』(ちくま新書)
『悲望』(幻冬舎)、
『童貞放浪記』(幻冬舎)、
『母子寮前』(文藝春秋)、
『日本の有名一族』(幻冬舎新書)
『日本売春史』(新潮選書)、
『友達がいないということ』(ちくまプリマー新書)、
『能は死ぬほど退屈だ』(論創社)
『東海道五十一駅』(アルファベータ)
『猿之助三代』(幻冬舎新書)、
『大河ドラマ入門』(光文社新書)、
『谷崎潤一郎伝』(中央公論新社)、
という感じなのですが、
最初に読んだ『もてない男』に、
努力すれば誰でも恋愛できるというのは幻想だ、
みたいなことが書いてあるのに衝撃を受け、
また、
少女漫画や小説、映画などのサブカルを
ひっぱりながらの評論というのも新鮮で
(といっても過去に評論はほぼ読んでないけど)、
恋愛とフェミニズムをテーマにしてる
と書かれていたのも私の興味とかぶるんで、
少しずつ小谷野本を読みはじめたわけです。
小谷野さんの本は、
おおざっぱにいって、
この世にはびこる幻想を幻想だと
気付かせてくれる展開が超面白い。
正直いって、私には
読めない漢字があったり(泣)、
文学論みたいなのはむずかしいんだけど、
それでもなんだかなぜか面白がれる
不思議な本でもありまして、
登場する小説を読んでなくても、
読めるようになっているというか
(勝手に読みとばしているだけか)、
読んでない本とか観てない映画に
興味を持たせてくれるので、
いわゆる知的好奇心ってやつを
すごく刺激してくれる本なんです。
まあ、これまでいかに自分が
不勉強だったかを思い知らされる、
ともいえるんだけど。
そして私は、読むたび、
やっぱり小谷野さんは大学の先生だった
人だなあと思います。
後進を育てたい、
文化を次の世代に伝えたい、
みたいな意図が読み取れて、
そういう小谷野さんの真の教育者としての
サービス精神にあふれた本になっているのです。
また、小説は、
ものすごいテンポがよくて読みやすい。
マジメな文が笑えることも新発見で、
終わり方がかっこいいのもイカします。
小説にもいろんな漫画や映画や本の具体名が
登場するのもよいです。
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(発行:日本文芸社/
企画:エム・エム・クリエーション/
編集協力:ツルシカズヒコ)
ココログ「服を買わない生活」もときどき更新。
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【『裁縫女子』(リトルモア)のインタビューなど】
●雑誌『hito(ヒト)』3号
●歌人の枡野浩一さんとのユースト対談↓
http://www.ustream.tv/recorded/12750111
●写真家の大野純一さんとのユースト対談↓
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●文筆家の近代ナリコさんの『裁縫女子』(リトルモア)書評↓
http://bit.ly/fHvj35
●『裁縫女子』は↓で最初の4ページが読めます(無料)。
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