ポチのクレヤン編集長日記:ポチことツルシカズヒコが書く身辺雑記
伊藤野枝かく語りき「日本人は情ない国民だ」
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文:ツルシカズヒコ 絵:ワタナベ・コウ
【伊藤野枝 1895-1923】
第69回を執筆中です。
1914年(大正3年)、
ちょうど今から100年前。
『青鞜』はそれまで
攻撃される一方だったが、
反撃に転じます。
その急先鋒が野枝でした。
野枝は自分や青鞜に対する批判に
真摯に対応、反論していこうと
考えていたようです。
しかし、その批判たるや、
反論に値しないものばかりでした。
女子教育界の重鎮で
最高峰の学識がある人物の批判すら、
まっとうなものはなかったのです。
まず、イエロージャーナリズムが
書き立てた誹謗中傷を真に受けて、
そこから「新しい女」や「青鞜の女」を
こうだと決めつけてしまうわけです。
野枝は日本人は徹底して物を考える能力が
欠落しているとも指摘しています。
〈どの方面に向ふ人にしても、
日本人には深刻がない。
私はそれが一番不満だ。
根ざしが深くないからだ。
道徳だつて宗教だつて
皆徹底したものは一つもない。
容易に形式だけは
新らしいものをとり入れてゐる。
内容は依然として旧い。
そして『調和』してゐると喜こんでゐる。
私は『調和』を悪(にく)む。
『中庸』を悪む、
徹底しなければ力は出ない。
『どつちつかず』には、
自己の信条と云ふものがない。
日本人は日本固有の何物も持たない。
本当の国民性と云ふやうな
何物にも動かない力強い内的特点は
一つもない情ない国民だ〉
(『青鞜』第四巻第六号)
日本人は100年前と今、
基本、ぜんぜん変わっていない。
そう私は思う。