ポチのクレヤン編集長日記:ポチことツルシカズヒコが書く身辺雑記
伊藤野枝と中村狐月
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1915年(大正4年)ごろ、
伊藤野枝に入れ込んでいた
中村孤月という文芸評論家がいます。
「入れ込んでいた」というのは
恋愛対象としてではなく、
今で言うオタク的な強烈な
粘着的な興味を野枝に持っていた。
実際に家に訪ねて来たり、
野枝が雑誌に書いた文章を
細かく「分析」して、
野枝にすれば
「そんな深読み意味ねーよ」
みたいなことを手紙に書いて
送って来たりしている。
野枝のすべてを理解しているのは
自分である、
みたいなことまで書いてくる。
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孤月は雑誌の編集者でもあるようで、
野枝に原稿を依頼するので、
野枝もあまり邪険には
できないでいたが、
ついには私はあなたが嫌いですと
意思表示をした。
しかし、いやそれはあなたの問題で
私には関係のないことですから……。
みたいなことになるところが、
私は可笑しくてたまらない。
孤月はネットで検索しても
ほとんどデータが出てこないが、
芥川龍之介の発言(書簡)が出てきた。
笑える。
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大杉栄は孤月を評価していたようだ。
〈あの、ちょっとした文章なり
顔色なりを見て、
すぐさまその人の心の奥底を
洞察することにおいて、
まさに天下一品とも称すべき批評家、
僕はよくあの男のことを
こんなふうに評価して
多くのあきめくら作家どもから
笑われるのだが……〉
(「男女関係について」)
辻潤は孤月のことを
『ふもれすく』の中で、
こう書いている。
〈中村孤月君などという
「新しい女の箱屋」とまで
いわれた位に野枝さんを崇拝する人〉