ポチのクレヤン編集長日記:ポチことツルシカズヒコが書く身辺雑記
内田魯庵「最後の大杉」その8
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コウ先生のお母さんが
膝の手術をしました。
ということで、
9/9から3日間ほど
新潟県妙高市の
コウ先生の実家に滞在。
直江津図書館に
荻野正博『自由な空
大杉栄と明治の新発田』
(新潟日報事業社出版部)が
あったので、チェックしてきました。
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魯庵が大杉らの非業の
最期を報道した
朝刊を読んだその日。
〈私は児供たちに
「魔子ちゃんのお父さんの咄を
してはイケナイよ、」と
固く封じて不便(ふびん)な魔子の
小さな心を少しでも
傷(いた)めまいとしたが、
怜悧(れいり)な魔子は
何も彼も承知していた。〉
〈が、物の弁(わきま)えも
十分でない七歳の子である。
父や母の悲惨な運命を知りつつも
イツモの通り無邪気に遊んでいた。
同(おない)年(どし)の私の児供は
魔子を不便がったと見えて、
大切(だいじ)にしていた
姉様(あねさま)や千代紙を
残らず魔子に与(や)ってしまった。〉
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「姉様」は姉様人形のことですね。
9月27日、落合火葬場で
火葬にされた大杉栄、伊藤野枝、
橘宗一の遺骨が柏木の自宅に届く。
落合火葬場では夏目漱石らの
火葬も行なわれている。
1944年に他界した
辻潤の火葬もここだったはず。
告別式を終え、
4人の遺児は野枝の故郷・福岡へ
引き上げることになった。
〈十月二日だった。
五人の遺子は野枝の伯父さん
老夫婦に伴われてこの恨の多い
父の家を跡に郷里へと旅立った。
親しい友や同志に送られて行ったが、
魔子は先きへ立って元気よく
「さよなら、さよなら!」
といって駈(か)けて行った。
パパもママも煙のように
消えてしまった悲(かなし)みをも
知らぬ顔の無邪気の後ろ姿が
涙ぐましかった。〉
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内田魯庵「最後の大杉」の
ラストですが、
最後まで魔子の無邪気さに
焦点を絞ったそのスタンスが
ブレない見事なラストですね。
ただし「五人の遺子」は
「四人の遺子」の間違い。
大杉と野枝の間には確かに
五人の子供がいたが、
次女は大杉の妹夫妻の養子になり、
この場には不在でした。
クレヤン本誌11号で
ワタナベ・コウが
「ふりぃらぶ」という
伊藤野枝と彼女をめぐる
人々の漫画(34頁)を描いています。
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