週刊ポチコラム:ポチことツルシカズヒコが雑誌批評などを書きます

vol.1 編集者の勇気

弥生美術館

先日、弥生美術館で開催中の『少女の友』展を見てきました。

実業之日本社が発行していた『少女の友』は1908年(明治41年)創刊、
1955年(昭和30年)に休刊した少女向け雑誌です。
中原淳一が挿し絵を描いていた雑誌として有名です。

遠藤寛子 著『「少女の友」とその時代 編集者の勇気内山基』(本の泉社)のlivedoorのブックレビューによれば、
http://books.livedoor.com

〈戦時色が深まるにつれ、中原氏の絵が問題となり、昭和一五年同氏の絵は「自発的に」『少女の友』から消えた。内山主筆はそれを読者と編集者の間の通信欄、「友ちゃんクラブ」で静かに告げた(昭和一五年七月号)表面は中原氏の意志といいながら、政府の圧力であることを言外に伝え「―父を兄を、夫を子を、失ふことさへも、国の為に忍ばなければならない時です。今は僕たちの一つの喜びを国家に捧げませう―」と述べた。〉

中原淳一が消えた後の表紙が展示されていて、
それは防空頭巾を被った少女だったりするんですね。

内山基は主幹として健筆を振るってもいたという。
雑誌って、本来、そういうものなんでしょうね。